2012年10月25日木曜日

遠くからタージマハルを。

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アグラ城。

他の多くのインド人にとってもそうであるように、あるひとりのお年寄りにとっても

すこし遠くに見えるタージマハルを訪れることは夢であった。

その人はそれなりの身分で、王様の住むアグラ城に住んでいてそこの城からもタージマハル景色を望むことが出来る。

手が届きそうなくらい近くにあるようにもみえるのに、その人には事情があって城の外に出ることが出来ない。

しかし実はそう遠くない過去、タージマハルが建設中の頃には特に、その人はその近くによく行くことが出来ていた。

果てはヨーロッパからも集められた職人たちの働きも知っている。

職人たちの手際の良さによく見とれたものだった。

インド周辺諸国から集められた色とりどりの大理石、宝石のことも知っていた。

美しく汚れない白の大理石に、それぞれの色を閉じ込めた大理石が埋め込まれていく。

その世界に誇るタージマハルがひとつひとつかたち造られていくのを

大事に心配そうに見守っていた時期がそのひとにもあった。

22年の歳月を経て、出来上がったその建築物の凄さは凄まじかった。

その人の目からは自然と涙が溢れた。

それを見上げる職人たちの誇らしげな顔を覚えていたりもする。

職人たちも肩を寄せて喜びあった。




しかし、いま彼が住むアグラ城もなかなかの美しさを誇る十分な城だった。

何しろそこには強力なムガル帝国皇帝がいるのだから、それもそのはずである。


内装に関しても、タージマハルに負けぬとも劣らない装飾がされてある。

そのひとにはいつもタージマハルを眺めるお気に入りの場所があった。

朝目覚めると朝靄に包まれたすこし遠くにあるタージマハルがすこしづつ、

次第にはっきりとその形をみせてくれるようになるまで眺めるのが日課だった。









 お気づきの方もいるとおもう。





実はこの話、嘘だ。





ぼくが話している"その人"とはムガル帝国5代皇帝シャージャハーンのこと。

タージマハルを建設したことで民衆に重税を課し、批判を集めたことで皇帝の座を息子アウラングゼーブに奪われ、幽閉されたシャージャハーンである。

皇帝の座を奪ったと悪いように書いたけど、実際は莫大な国家財産を使っていたシャージャハーンのほうが悪者に近い気がする。

歴史は視点が変わると、ストーリーも変わる。

タージマハルの人気で歴史はシャージャハーンに味方した。


そしていま書いてきたことはぼくの勝手な空想、想像。

感動してくれた人がいたら、ごめんなさい。

でも、空想に浸れる素晴らしい心の持ち主だとおもいます。

きっとそういう気持ち大事です。

 アグラ城を美しく彼の気持ちで語ったつもりだったが、実際の彼の気持ちはそうでない。

きっとタージマハルのそばに暮らしたかったに違いない。

自分が莫大な資金と想いを込めて造らせたそのものに敵うものなど、もうこの世になかったはずだから。

その装飾の美しさもやはりタージマハルのほうが勝っていた。

いま上に見てきた写真たち、その景色は彼にとって牢屋からの眺めだった。

もう一度使うこの写真。


彼はこうやってでしかタージマハルを見ることが出来なかった。

彼はもっともっと大きく造れば良かったとおもったかもしれない。

ツバメのように飛んでいきたいともおもっただろう。

彼はタージマハルに眠る愛妃ムムターズのことをおもっただろう。

その対岸にそびえるはずだった、黒いタージマハルもなんども夢に描いただろう。


この庭を何度突っ切って門を抜けられるかも考えたとおもう。

ここの美しい部屋も彼にとってはただの部屋に過ぎなくて、ここから飛び降りて死にたいともおもったかもしれない。

歴史が視点が変われば語られ方も違うように、シャージャハーンの気持ちで語るとこの場所のストーリーもまた違う話に聞こえてきます

今日はちょっと悲しいお話ですみませんでした。

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