2012年10月22日月曜日

一生一度の沐浴。

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日の出とともにガンガーの沐浴する場所ガートに人が集まりだす。
この日の沐浴もどこからともなくはじまっていく。
真剣にお祈りをするインド人、川で泳ぐインド人、洗濯をするインド人、船で川を眺める外国人。
それがガンガーの朝の姿だった。

バラナシの滞在の最終日、僕と城谷さんは"沐浴する"と決めていた。
驚いたこと同じ宿に泊まる旅人は沐浴をしないひとが多かった。
韓国人や他の国の人も多くバラナシに滞在しているが、やはり沐浴する姿は見ない。
城谷さんも「俺は足だけでいいかな。」とつぶやく。
そんな躊躇する城谷さんを僕は煽った。

「人生一回のバラナシのガンガーの目の前に来て、足だけでいいんですか?」
「せめても肩までいきましょうよ。僕はあたままでいきますから。」

城谷さんも足をガンガーの水に浸し、そしてすこしづつ川の奥に進んでいった。
肩まで浸かった後、清々しい顔で「やってよかった。」という城谷さん。
「体長を崩しても僕は責任とれないけど。。。」僕は笑った。


"生と死が交わる河、ガンガー"
僕らが船に乗った時も、人間の死体が、牛の死骸が、鳥の死骸が流れていた。
いろいろと思うことはあるがそれでも河は変わらず流れる。
過去と今と未来を一緒にして。



僕の沐浴する時が来た。インド人に混じってガンガーに足をつける。
冷たすぎることもなくひんやりとしていて気持ちいい。
不思議と汚いという感情はどこにもなくなっていた。臭さがあるわけでもない。
腕に水をかけ、からだに水をかけ、自分の罪を丁寧に流していく。
水の中も階段が続いた。一段ずつ降りていくとあっという間に胸まで水に浸かる。

インド人がやるように水をすくって前に優しく放り投げる。

そのひとつひとつの作法にも意味がある。
僕は他の宗教に触れる時その作法を大事にするよう心がける。
作法は、その想いを込める際に1番想いを美しく強く伝えるためのものだから。
でも、一番大事なのはなによりも気持ちです。
どんなに美しい作法でも気持ちがなければそれは芝居。
作法がちょっと間違っていても、必死に思う気持ちが伝わっていたらそれで充分。
その考え方は仕事でも友達付き合いでも通ずること。

僕はあたまを残して、他のからだの部分はガンガーの水に浸けた。
「じゃあ、行きますね。」そう声をかけてガンガーの河に身を沈めた。


水中からあがってくると近くで見ていたインド人がよくやったといわんばかりに近づいてくる。
他のインド人の若者たちも「come,come!!」といって泳ごうと誘ってくれる。
インドがまた近づいたと感じられる瞬間だった。
自分の中でも"やったぞ!"という高揚感と清々しさに浸る。
結局30分程ガンガーに浸かっていた。
その河の水を好きになってしまっている自分がいた。

ずっと前から沐浴する時はあたままで浸かろうと決めていた。
生と死がガンガーの河の中でつながっていると自分の中で思っていたから。
過去と今と未来もおなじように。絶えず未来が今になり、今が過去になる。
「からだを全部その大きな流れの中に沈めた時、沐浴は達成されるんだろうな。」
冗談なんかじゃなく僕は本気でそう思ってた。
そしてその考えは間違っていなかった気がするよ。


僕が沐浴する向こう岸に、朝陽の下を駆ける子供と犬が見えた。その絵にすこしの間見とれる。
仲良くなったインド人に別れを告げ、ぼくらはゲストハウスに足を向けた。
こうして、一生に一度であろうガンガーでの沐浴を終えた。
沐浴した後に体調を崩す旅人は多い。
それでも、この沐浴の経験は僕の胸に貴重な経験として刻まれた。

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作法ひとつひとつの意味を知ると

今まで見えてなかった世界に出会えることがある。

秘められた想い、相手に対する気づかい

身近にないがしろにしている作法があれば

その意味を知ってください。

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